かくれ脱水とは?熱中症との違いや症状、なりやすい人、セルフチェック、対策を解説

気付かないうちに脱水症が進行することをかくれ脱水と呼びます。すぐに危険な状態に陥るわけではありませんが、放置していると身体への悪影響を及ぼす可能性が高いです。
また、熱中症と違って、かくれ脱水は冬場でも発生するケースがあります。高齢者や幼児が陥りやすい症状のため、身近に当てはまる人がいる場合は、セルフチェックや対策を知っておきましょう。
本記事では、かくれ脱水の症状や熱中症との違い、なりやすい人、セルフチェック、対策などを解説します。
かくれ脱水とは?
かくれ脱水とは、自覚なく体内の水分が減少し、脱水症に至る一歩前の状態です。
例えば、冬場の乾燥やエアコンの影響により、皮膚や呼気から知らず知らずのうちに水分が蒸発し、喉の渇きを感じないまま水分摂取が不足した状態をかくれ脱水と呼びます。
体重の1〜2%減少した程度でも体液(水分)が減ると脱水症は出るため、気づかないうちにかくれ脱水となり、深刻な状態になるまで放置されるケースは珍しくありません。
気付かないうちに脱水症に陥ることから「かくれ」脱水と呼びます。
かくれ脱水と熱中症の違いは?
次の表は、かくれ脱水と熱中症の違いをまとめたものです。
| かくれ脱水 | 熱中症 | |
|---|---|---|
| 定義 | 自覚しにくく、水分が不足している脱水症の前段階 | 高温環境で水分や塩分バランスが崩れ、体温調整が不能になる状態 |
| 発生しやすい状況 | 冬の乾燥や室内エアコンなど、季節を問わず発生 | 気温や湿度が高い環境で起こりやすい |
| 自覚症状 | ほとんどないが、口の渇きや皮膚の乾燥、尿の色の濃さなどのサインあり | めまいや頭痛、嘔吐など明確な症状が出る |
| 重症化するリスク | 放置すると重度の脱水や熱中症へ進展する危険性がある | 迅速な対応が必要で、重度になると命に関わる |
| 対策 | 喉が渇く前からこまめな水分補給、室温・湿度管理 | 涼しい場所に移動し、経口補水液で水分・塩分を補う |
かくれ脱水とは、体内の水分が不足しているにもかかわらず、自覚症状が乏しい状態を指します。
例えば、口の中が乾いたり、尿の色が濃くなったりといった小さな変化があっても、本人が脱水状態だと気づきにくいため、「かくれ」と呼ばれています。
一方、熱中症は、外気温や湿度の影響で体温調整がうまくいかなくなり、めまいや頭痛、吐き気、意識障害などの明確な症状を伴って発症します。
かくれ脱水は、冬の室内や夜間の寝汗、入浴後など、季節やシチュエーションを問わず発生しますが、熱中症は主に夏の高温多湿な環境下で起こる点が大きく異なります。
また、かくれ脱水を放置すると体内の水分と塩分のバランスがさらに崩れ、熱中症や脳梗塞など命に関わる疾患に進行するリスクもあるため、初期段階での予防と対策が極めて重要です。
- かくれ脱水…脱水症の前段階で、放置すると熱中症や脳梗塞に発展する可能性がある
- 熱中症…すぐに適切な対応が必要な段階
かくれ脱水は熱中症につながる可能性があるため、なるべく脱水症に進行する前に対処しましょう。
かくれ脱水の主な症状と放置するリスクとは?
かくれ脱水は脱水症の前段階であり、放置していれば脱水症が深刻化するリスクがあります。
脱水症は、体内の水分と電解質が不足することで起こる状態です。
かくれ脱水が進行すると、頭痛やめまい、倦怠感といった漠然とした体調不良が現れます。体液が不足することで血流が滞り、脳への酸素や栄養が届きにくくなるため発生する症状です。
さらに、体内の水分が足りないと老廃物を排出するための尿の量が減ったり、色が濃くなったりします。放置すると便秘を伴い、筋肉がつりやすくなる、手足に脱力感やこわばりが出るなどの症状へと発展します。
一見すると軽い不調に思えますが、そのまま放置すると熱中症へと発展し、深刻な体調悪化につながる可能性が高いため、早めに対処しましょう。
かくれ脱水になりやすい人は?
かくれ脱水になりやすい人は、主に以下の通りです。
- 高齢者
- 乳幼児
- スポーツをする人
- 寝たきりの人
かくれ脱水になりやすい人は、高齢者や幼児です。
高齢者の場合は、加齢により体内の水分比率が低下しますが、喉の渇きを感じにくくなるため自覚がなく、水分摂取が滞る傾向が見られます。そのため、気が付いたら脱水症や熱中症に陥るケースが少なくありません。
また、腎機能の衰えから汗や排尿による水分排出の調整も弱く、かくれ脱水が慢性化しやすい点でも注意が必要です。
幼児の場合は、体重に対して水分量が多く、未発達な腎臓や皮膚、呼気からの水分蒸散により、大人よりも脱水しやすい身体となっています。喉が渇いても、幼児は自分から水分補給ができないため、周りが定期的に水分を与えるようにしましょう。
高齢者や幼児以外では、日像的に大量の発汗を行って水分と一緒に電解質を失われているアスリートや、活動量が少なくても排せつや呼吸で水分を失いやすく、本人が渇きを訴えにくい寝たきりの人などもかくれ脱水に陥りやすいです。
さらに、入浴では発汗により脱水が進行しやすく、睡眠中は呼吸や寝汗で水分が失われます。起床直後は自覚なしに体液が減少しており、水分補給を意識しましょう。
かくれ脱水のセルフチェック方法
かくれ脱水をセルフチェックする方法は、主に以下の通りです。
| 方法 | ポイント |
|---|---|
| 舌や唇・口の乾き | 粘つきやパサつきがあれば、体内の水分不足の可能性がある |
| 皮膚の戻り(ツルゴール反応) | 手の甲をつまみ、跡が消えるまでに3秒以上かかる場合は脱水症の可能性が高い |
| 爪の毛細血管充満時間(CRT) | 親指の爪を押して、色が戻るまでに3秒以上かかる場合は脱水症の可能性がある |
| 尿の色 | 正常な場合は薄い黄色だが、濃い黄色や茶褐色の場合は脱水症の可能性がある |
上記のセルフチェックで当てはまったからといってかくれ脱水だとは限りませんが、経口補水液や水で水分と電解質を意識的に補い、必要なら医療機関へ相談しましょう。
かくれ脱水を予防する日常の対策
かくれ脱水を予防する日常の対策は、主に以下の通りです。
- こまめに水分を摂る
- 食事で水分を補給する
- 涼しい環境や服装を心がける
それぞれ、順番に解説します。
こまめに水分を摂る
かくれ脱水を防ぐために最も大切なのは、日常的に水分を「こまめに」摂取することです。
喉が渇いたと感じたときには、すでに軽度の脱水が始まっているケースが多いため、渇きを感じる前から意識的に飲むことが予防の基本となります。
ただし、一度に大量の水を飲むと胃腸に負担がかかるうえ、水分が一気に排出されてしまい、体内にうまく吸収されません。
そのため、1回につきコップ1杯(200ml)程度を、時間を空けながら複数回に分けて摂るのが理想です。
高齢者や子どもは喉の渇きを感じにくいため、周囲が声かけしたり、定期的に飲む習慣を作ったりしましょう。
なお、カフェインやアルコールは利尿作用があるため、水分補給としては適しません。
食事で水分を補給する
水分補給は飲み物だけではなく、日々の食事からも自然に取り入れることができます。
例えば、果物には多くの水分が含まれているため、朝食に加えると、起床直後の軽い脱水状態の回復に役立ちます。
また、夕食には味噌汁やスープを添えることで、体を温めながら水分とミネラルを一緒に補うことができ、脱水の予防に効果的です。
食事から摂る水分は消化と同時にゆっくり吸収されるため、体への負担も少なく、体内の水分バランスを整えることができるので、毎日の献立で水分を含む食材を意識しましょう。
涼しい環境や服装を心がける
かくれ脱水を防ぐには、生活環境の調整も大切です。
室内で過ごす時間が長い高齢者や子どもは気温や湿度の影響を受けやすいため、夏場は室温を25〜28℃に保つようエアコンや扇風機を活用し、冬は乾燥しすぎないよう18〜22℃を目安に暖房を調整しましょう。
また、室温だけでなく、加湿器や除湿器を併用して湿度を50〜60%に保つことが理想的です。
さらに、通気性がよく、吸汗速乾性のある素材の服装を選ぶことで、体温調整がしやすくなります。
かくれ脱水を防ぐおすすめの飲み物・食べ物
次項より、かくれ脱水を防ぐ飲み物と食べ物を順番に解説します。
かくれ脱水を防ぐおすすめの飲み物
かくれ脱水を防ぐおすすめの飲み物は、主に以下の通りです。
- 水
- 麦茶
- 経口補水液
- 味噌汁
かくれ脱水を防ぐ場合は、水がおすすめです。特に、常温の水は身体への吸収も早く、こまめに飲むことで自然な水分補給ができます。
また、麦茶はカフェインを含まず、利尿作用がないため、日常的な飲料水として役立つでしょう。
仮に、かくれ脱水に陥った場合は、経口補水液の摂取がおすすめです。経口補水液はナトリウムやカリウムなどの電解質を含み、体内の水分バランスをすばやく整える役割があります。
飲み物ではありませんが、みそ汁は水分と塩分を同時に摂れる理想的な一杯なので、朝食や夕食に取り入れることを検討しましょう。
かくれ脱水を防ぐおすすめの食べ物
かくれ脱水を防ぐおすすめの食べ物は、主に以下の通りです。
- きゅうり
- スイカ
- トマト
- レタス
- ゼリーやヨーグルト
かくれ脱水を防ぐ場合、飲み物だけでなく、食べ物からの水分補給も効果的です。なかでもおすすめなのは、きゅうりやスイカになります。
きゅうりは約95%が水分で構成されており、カリウムも含まれているため、体内の水分バランスを整える働きがある食べ物です。
スイカは果肉の90%以上が水分で、塩分やカリウムなどの電解質も含まれているため、脱水によって失われやすい成分を自然な形で補うことができます。
また、トマトやレタス、ゼリー、ヨーグルトなども水分補給に適した食品です。
特に、ヨーグルトは水分だけでなく、たんぱく質やカルシウムも一緒に摂取できるため、高齢者や子どもの健康管理にも役立ちます。
食べ物で水分補給をする場合は、水分量が多く、なおかつ塩分やミネラルを自然に含む食品を中心に選びましょう。
まとめ
以上が、かくれ脱水の解説になります。かくれ脱水は、自覚がないまま体内の水分が不足し、脱水症や熱中症へとつながるリスクのある状態です。
高齢者や子どもは喉の渇きを感じにくく、自ら水分補給ができないこともあるため、周囲の配慮が欠かせません。
日頃からこまめな水分補給を意識し、果物やスープなど水分を多く含む食事を取り入れることが、効果的な予防につながります。
特に、常温の水は速やかに体内へと摂取できるためおすすめです。
しかし、水道水はカルキ臭いため、人によっては苦手で飲めない場合があるため、浄水器の設置を検討しましょう。
かくれ脱水の対策で浄水器を設置するなら、セントラル浄水器の設置がおすすめです。
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