水道水ってそのまま飲んでも大丈夫？お答えします。
ペットボトル入りのミネラルウォーターがお店で普通に売られている現在、水道水をそのまま飲むことに不安を抱いている方も多くおられます。「水道水をそのまま飲むことで健康に影響があるのではないか」「水道水って本当に安全なのか？」ということです。早速結論から申し上げると、水道水をそのまま毎日飲んでも健康に悪影響が出ることはありません。理由は日本の水道水は、水道法第4条に沿って浄水処理と厳しい水質管理が行われているからです。
水道水の厳しい水質管理とは？
先に述べましたように水道水は水道法第4条に沿って厳しく管理されており、大腸菌などが検出されないことはもちろん、健康に悪影響のある重金属や化学物質など51項目に及ぶ検査項目が基準値以下であるように水質が厳しく管理されています。またこの水質基準以外にも現在、毒性の評価が定まらないが、今後の研究結果などによっては基準を設ける物質も数十種類挙げられており、水道局では日々知見の収集に努めています。つまり日本の水道水は日々進化し、より良質な水が提供されているのです。
参考：厚生労働省：水道水質基準について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/index.html
参考：東京都水道局
https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/suigen/kijun/
ワンランク上の水道水 – 高度浄水処理水
通常の浄水処理に加えてさらに高度な浄水処理を施した水道水のことを高度浄水処理水と言い、東京都や大阪府などで導入されています。処理工程は目に見えないほどの小さな穴が無数に開いている粒状活性炭を用いて水中に溶け込んだ臭いの元となる物質やトリハロメタンを取り除く処理の他、オゾンを用いて水中のカビ臭の元となる物質を分解するなど、より美味しいと感じる上質な水に仕上げています。
また、各水道局ではペットボトル入りの水道水を販売し、その浄水処理技術の高さをアピールしています。（現在は販売終了）
気持ちの問題？残留塩素は大丈夫なの？
前項では日本の水道水の水質は非常に良く、そのまま毎日飲んでも健康に悪影響など無いことをご説明致しました。
では、水道水を飲むことに抵抗感を覚える方は単に神経質なのでしょうか。実はそうとも言えず、この抵抗感の正体は大きく次の2つにあるのではないかと考えられます。
１）蛇口や水道管の老朽化により不純物が含まれている可能性
浄水処理後の水道水は水道管を通って各家庭や施設に運ばれます。この水道管は設置後数十年が経過しているケースもあり、老朽化から鉄サビなどの不純物が溶け込んでいる可能性があります。また、各家庭や施設内の水道配管は水道局の管理下にはありませんので、マンションやアパートなどの水道管・貯水槽の管理がずさんな場合などは水の色や匂いなどに違和感を覚えることがあるかもしれません。
水の色や匂いまた味に違和感がある、以前と変わったなどの場合は水道業者に調査を依頼したり、
各自治体の水道局へ問合せするなどしてみましょう。
２）残留塩素
消毒用として水道水中にごくわずかに残している塩素のことです。水道法により0.1mg/L以上に保つことが義務付けられています。
東京都水道局ではこの残留塩素濃度を0.1mg/L以上0.4mg/L以下に保つことを目標としているようです。この残留塩素は微量の為、人体に悪影響を及ぼす可能性はないのですが、人によっては匂いが苦手だったり塩素自体に不安を覚えたりすることもあります。
東京都では水質検査結果を毎日公表しています。
https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/suigen/data/today.html
水道水を美味しく飲むには？
ここまで水道水は厳しく管理され、安全で良質な水が供給されていること。しかしながら各家庭に届くまでに水道管内の鉄サビなどの不純物が溶け込んでしまう可能性があり、さらに人によっては塩素が苦手であることなどが水道水を飲むことに対する抵抗感の正体ではないかと考えられることをご説明いたしました。
では、この不純物や塩素を除去する方法はないのでしょうか。ここでは水道水を美味しく飲む為の方法をいくつかご紹介いたします。
１）汲み置きする
汲み置きすることで水道水中の塩素は空気中に抜けていきます。これからご紹介する方法の中では一番手軽に実行できますが、揮発までに6〜24時間程度と時間がかかります。また塩素がなくなることで痛みやすく、雑菌が入り込んでしまうリスクもあるので汲み置きした水の管理に気を付ける必要があるでしょう。
２）煮沸する
水道水を沸騰させ塩素を除去します。煮沸時間は10分以上で、水道水中の塩素が除去され美味しく飲むことができます。
汲み置きによる塩素の除去方法と同じく、塩素がなくなると水は痛みやすくなる為、早めに消費するようにしましょう。
３）ビタミンCを添加する
ビタミンCを水道水に入れることで塩素を中和することができます。中和の過程でビタミンCは壊れてしまいますが、手軽に試すことができます。また、ビタミンCは柑橘類で代用可能です。
浄水器を使うという手も
前項では水道水を美味しく飲む為の様々な方法をご紹介しました。すでにお気づきかと思いますが、前項の方法では残留塩素の除去はできても鉄サビなどの不純物の除去まではできません。もちろん浄水器を利用するには別途費用が発生しますが、一度設置してしまえば一番手軽な方法であることは間違いないでしょう。
まとめ
日本の水道水は厳しく水質管理されている為、そのまま毎日飲んでも健康に悪影響が出る心配はありません。しかしながら浄水処理後、水道管を通る過程で鉄サビなどの不純物が溶け込む可能性があります。また塩素自体に不安がある方などは塩素と不純物両方除去できる浄水器の導入を検討されるのも良いかもしれません。
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